一生懸命取り組んでも、何となく良い結果に結びつかない。成果が出ても、なぜか満足感がない。そんな時に自問したいのが「本当にしたいことは何か?」です。
私はよく「家族旅行で予定通りに動こうとするお父さん」を思い浮かべるようにしています。
二泊三日だとすると、そのお父さんは旅程をきっちり決めます。何時に家を出て、何時にホテル付近につき、ホテルに荷物を置いたら近くの観光地に行き、晩御飯はどこでたべ、翌日は何時に起きて何時に出て、4つほど回ってホテルに帰り、晩御飯は・・・などなど。
家族と一緒にたくさん楽しみたいから行くところが多くなってしまい、予定が立て込みます。でも調べた結果なんとか全部回れそうなのでスケジュールを決め、当日を迎えます。
決まった通りに動こうとするお父さん、しかし子供達や妻、または全然関係無い何かで予定が崩れてしまいます。せっかく頑張って決めたのに思い通りにいかずお父さんはイライラ。それを感じた家族もイライラ。結局旅行は台無し。というストーリーです。
お父さんが本当にしたかったことはなんでしょうか。予定通りに動けなかったせいでお父さんがイライラして台無しになりましたが、お父さんが本当にしたかったのは予定通りに動くことでなかったはずです。家族と一緒に楽しむということが本来の目的で、予定はそのための手段だったはずです。
少しストーリーを変え、例えば子どもの具合が悪くなったケースを想像してみましょう。お父さんは「少し休んだほうがいいかな」と思いましたが、そうしたら予定通りに動けなくなるので、具合が悪い子供を連れて忙しく行動したとします。お父さんは予定通り動けてイライラしませんでしたが、子供は具合が悪そうだし、妻はそれが気になって楽しむどころではありません。
「予定をこなす」という成果を出せたお父さん、でも良い気分にはなれません。予定通りに動くという手段が目的になってしまい、本来の目的であるみんなで楽しむということが犠牲になってしまったからです。
みんなで楽しみたければ、ゆっくり過ごせば良かったはずです。
何かがうまくいかない時、「自分は旅行中に予定を大事にしすぎる人になっていないか?」とかえりみてみましょう。きっと気づきがあるはずです。
なお、誤解ないように一言、この例えの「予定を大事にする」は、「しすぎ」が良くないだけで「大事にする」は間違っていません。当初建てた予定が楽しめるものであったなら、予定を守ることは本来の目的に沿っているのだから、可能な範囲で遂行するべきです。
大事なのは、「本来の目的を達成できる予定を組むこと」「不測の事態に柔軟に対応すること」です。