「人に迷惑をかけてはいけません」というようなことをしばしば聞きますが、本当にそうなのでしょうか。
私の答えはイエスです。そう答える人が大半だと思います。実際に迷惑をかけないようにどれくらい気をつけているかはさておき、皆知っていることです。
ですが、その理由をはっきりと答えることはできるでしょうか。
私が人に迷惑をかけないようにする理由は、かけない方が自分のメリットが大きいからです。
例えば電車の座席に座るとき足を投げ出していて、人が通りづらかったとします。つまり迷惑をかけています。
迷惑そうに通る人の中には、舌打ちをしたり足にぶつかったりしてくる人がいると思います。はたまた、文句を言ってくるかもしれません。
それは、足を投げ出さずに座るよりも、ネガティブな現象ではないでしょうか。必ず起きるとは限りませんが、可能性は高いと思います。ネガティブ度合いの比較を期待値込みで考えても、足を投げ出さない方がメリットが高い。
これはただの一例ですが、他のことも同様に考えてみると結論はほぼ同じです。
ただ、それは人によるかもしれません。
例えば、足を投げ出して座ることによるメリットが大きい人(足を投げ出さずに座るデメリットが大きい人)がいたら、どうなのか。「足を折り曲げると痛い」とか「足を折り曲げるのは心理的に辛い」などです。
シミュレーションしてみるに、今の日本は社会構造的にそういう人が電車の座席に普通に座ることはないように思います。例えば車椅子に座るとか、電車を使わないとかです。想像力の限界を超えた何かがそこにあるかもしれませんが、滅多にないはずですし、もしあったとしたら社会を変えるべきだと思います。
さらに例えば、足を投げ出して座ることによるメリットは変わらないが、足を投げ出してもネガティブなことが起きない人もいるかもしれません。身なりが威嚇的だったり、声をかけたくないと思われるような場合です。
これは、舌打ちや注意こそないものの、それ以外の色々な局面でデメリットが非常に大きいと思います。生きる上でのメリットデメリットは人生トータルの話なので、やはりきちんと座った方が良い。
この社会は人に迷惑をかけなくて済むようになっています。迷惑をかけねばならないようなおかしな社会にはなっていないということで、それは争い・諍いが起きづらいことを意味しているので、とても幸せなことだと思います。
今回のテーマに限らず、多くの人がよく思うことや言うことは、よく考えるとちゃんと理由があり、ちゃんと理由があることまで理解できれば、言われるがままにやるよりも徹底できるし、気持ちも晴れやかです。
ぜひ考えてみてください。